やっとひどい暑さが和らいで来ましたね。
先日の台風は無事しのげましたでしょうか。
今回は、会陰部ヘルニアについてです。
本来は、何層もの筋肉や腱に守られて、腹腔内にあるべき前立腺や腸管膜の一部などが、何らかの原因により腹腔から出て、皮下に飛び出しています。
お尻に膨らみがあって、何かしらの腫瘍のように見えるかもしれません。
この子は肛門周囲腺腫も併発していました。
肛門の右側にニキビみたいにプツっとできているのが、肛門周囲腺腫瘍です。
会陰部ヘルニアも、肛門周囲腺腫も、男性ホルモンによって発生するリスクが高まると言われており、中高年の去勢していない雄犬に多いとされています。
確かに当院でも、10才前後の子に多いです。
特にお尻の周りのことなので、気をつけて見ないと、なかなか発見できないものです。
去勢してないワンちゃんは特に、
・お尻周囲に出来物のようなブツブツがないか
・不自然な膨らみがないか
など観察してみてください。
便秘や、排便時の過剰な「いきみ」は、ヘルニアを発生させやすくします。
前立腺肥大は外からは分かりませんが、やはり中高年の犬に多く、排尿排便困難の原因にもなります。
そしてもうひとつ、睾丸の大きさと硬さも時々チェックしましょう。
・左右で大きさが著しく違う
・弾力がなく硬い
などの症状がある場合は、睾丸腫瘍の可能性があります。
また、睾丸が片方だけの子では、隠れている睾丸が腫瘍になるリスクが高まります。
猫ちゃんは発情期が問題になり、去勢することが多いですが、
やはりワンちゃんでも、中高年以降の病気の事を考えると、若くて元気な時に去勢手術を考えて欲しいなと思う今日この頃です。