暑い日々が続きますね。
台風10号が福岡に近づいてきそうな予報です。
ペットの安全のためにも、念の為、停電や水害に備えておきましょう。
実は、今年の夏の初め頃、犬や猫の肛門腺の破裂で来院される症例が増えていました。
そしてまた最近、肛門腺破裂や肛門腺炎が増えています。
肛門腺の分泌物
肛門腺は、アナログ時計の真ん中を肛門とすると、4時と8時の場所にあります。
分泌物が溜まっていると、4時と8時の場所にプックリと膨らみが触れます。
それを肛門に向かって押し上げるようにすると排出するのですが、少しテクニックが必要かもしれません。
肛門腺の分泌物は、ウンチとは違う独特の臭いがします。
個体差や体調、食べ物によってもこの臭いは変わります。
「アタリメの臭い」だったり、「カラムーチョ風」だったり、「魚の一夜干し」などなど様々です。
性状も、歯磨きペーストくらいの硬さだったり、サラサラの液体状だったりします。
肛門腺のケア
肛門腺の分泌物は、排便のいきみとともに排出されます。
縄張りに臭いをつける為と言われています。
しかし、体質や体調によって排出されにくい子もいます。
爪切りやトリミングにあわせて1ヶ月に一度程度、絞るのがオススメです。
かなりしつこく落ちないニオイなので、ご自宅でチャレンジする時には飛び散らないように注意してくださいね。
肛門腺の炎症
細菌感染により、肛門腺の出口が腫れて塞がったり、肛門腺自体が炎症を起こして膿が溜まることがあります。
溜まりに溜まると、やがて破裂し、皮膚に穴が開いて排膿されます。
破裂の前に気が付いてあげられると良いのてすが、頻繁に見たり触ったりする場所ではないので、破裂して初めて気が付いて来院されることが多いようです。
左が正常なお尻、右が破裂したお尻です。
肛門腺が溜まっていると、お尻を床につけてズリズリしていたり、お尻を気にして舐めたり咬んだりします。
「血と膿が混ざったような『鉄臭い』ニオイがする!」と肛門腺炎の段階で気が付いて来院されることもあります。
肛門腺を絞ってから1〜2週間くらいでお尻周りを気にしたり、普段よりもお尻が臭う場合は、炎症のサインです。
早めの受診をオススメします。