フィラリア予防を忘れずに

台風が過ぎ、ちょっとムシムシした日が続きますね。
先日、我が家の愛犬ハルの散歩に出たら、ものすごい数の蚊、蚊、蚊、蚊・・・。

ハルがちょっと立ち止まると、蚊があちらこちらからやってきます。

犬を刺す蚊

フィラリア予防はしているので、その心配はしていないのですが、
「見ているだけでかゆくなる」と思っていたら、虫除けスプレーをしていたのにも関わらず、私も数ヶ所刺されていました。

今年の夏の暑さは蚊にとっても暑すぎたのか、暑さがやわらいだ今の方が蚊が多い気がします。

ちなみに、吸血するのはメスの蚊のみ。
産卵の為の栄養補給だそうです。
冬になる前に、蚊も必死なのでしょう。

アニス動物病院では、前回の消費増税(5%→8%の税率変更)の翌年、フィラリアの寄生が増えました。
それまでは一年に多くて1~2頭ペースだったのに、その年は4~5頭ペースを越え、その後も年々増えています。

フィラリア寄生犬の血を吸った蚊が増えると、新たなフィラリア寄生が広がっていきます。
つまり、フィラリア寄生犬が増えると、より一層、周辺の犬へのフィラリア寄生リスクが高まります。

フィラリアを発症すると、「咳こんで吐いてしまう」「お腹に水が溜まって呼吸すら苦しい」「吐血してもがき苦しむ」などの症状が出ます。
飼い主さんはこんな事をするつもりは微塵も無かったハズです。

「たった数ヶ月、フィラリア予防をしなかっただけなのに・・・」
「去年まではしてたけど、今年は大丈夫だろうと思って・・・」

予防は、しっかり効果があれば何も起こらないので、効果を実感しにくいものです。
毎月1,000円~2,000円の出費を迷う理由なのかもしれません。

ワクチンやフィラリア予防が一般的ではなかった時代の犬の平均寿命は「2年」だったという調査報告があります。
「5年」生きたら十分長生き。
「10年」生きたらビックリされた時代がありました。

昔と今では栄養事情も飼育環境も違うので、一概に比べることはできませんが、予防がいかに大事かと実感させられるデータです。

つい先日、また新たなフィラリア寄生犬が来院しました。

フィラリア予防は、蚊がいなくなってから「もう一回」が大事です。
何故なら、蚊に埋め込まれたフィラリアが成長する前に駆虫する薬だからです。
シーズン途中で止めると、それまでの予防の意味がなくなります。
忘れずに投薬しましょう。