8月後半は涼しく、このまま秋になるのかと思っていましたが、真夏のような蒸し暑さが戻りましたね。
残暑が身に堪えます。
動物たちも、今年の気温の変化はなかなかに堪えているようです。
下痢や嘔吐など、お腹を壊す子が急に増えています。
夏の疲れが出たのかもしれませんね。
お腹の調子が悪そうな時には、ジャーキーやチーズなど、消化に悪いものや油分の多いものは避け、フードをふやかすなど水分補給を心掛けましょう。
それでも具合が悪そうな時には、何日も様子を見ずに、早めに来院してくださいね。
また、今年は「膿皮症」の来院数が多いようです。
人間で言うと、ひどい飛び火のようなものですが、数ミリから数十センチほどの脱毛と化膿が特徴的です。
気にして掻きむしったり、舐めたりすると、余計に悪化することもあります。
動物には毛が生えているため見つけにくく、全身に広がる場合もあります。
軽症の場合は局所の消毒で済みますが、広がっている場合は消毒薬の入ったシャンプーや抗生物質の投与が必要です。
ノミが寄生していると悪化するので、ノミ予防は必須です。
そう言えば蒸し暑さのせいか、ノミの寄生も多い傾向です。
ノミは家の中で繁殖するので、もしペットにノミを発見したら、それは氷山の一角です。
その10倍以上の卵・幼虫・サナギが、カーペットの間や家具の隙間のホコリの中にいます。
ペットは外出していなくても、飼い主の服や靴にくっついて家に持ち込まれることがあります。
卵やサナギは薬剤が効きにくいので、ノミを家の中で発見した後はペットのノミ予防とともに、最低でも3ヵ月は徹底した掃除と定期的な部屋の害虫駆除が必要になります。
水洗いできる物は、できるだけ水洗いして干すことをおすすめします。
ちなみに、人間も刺されるとかゆい上に、虫刺され跡が結構残ります。
しっかり予防できていると何も起こらないので、「本当に必要なの?」と思ってしまいがちです。
しかし、以下の事例はニュースや本の中の話ではなく、現実にアニス動物病院に来院されたペットや飼い主さんのお話です。
ノミが原因でひどい皮膚炎になった
ノミやダニの大量寄生で貧血を起こして死にかけた
ダニが媒介するバベシア原虫で悪性貧血になり死亡
ノミが家で大繁殖して飼い主さんも刺され、リンパ節が腫れて病院で腫瘍と間違われて手術になりそうになった
そして今年は、ネットショッピングで並行輸入品(正規ルート以外のルートで輸入された品物)の予防薬を使用し、ノミが駆除できていない子がいました。
安くてもニセ物だったら意味がありませんね。
ネットショッピングは私も好きですが、あまりにも安価な物には、疑いを持った方が良いようです。
まだまだ暑い9月、フィラリア予防とノミダニ予防は忘れずにしましょう!!