2回目の肥満細胞腫瘍摘出術

実は2年前、我が家の愛猫うまそう(当時14歳)の首の皮下組織に肥満細胞腫ができて、摘出手術をしていました。

最初は嘔吐からでした。
体調が悪いのかな?と思っていたら、首に違和感のある腫瘍があり、皮下で出血していました。

その時すでに高齢だったため、子どもを含めた家族全員と話し合い、手術をすることに決めました。

広範囲の皮膚と皮下組織の切除をしながら、嫌な感じの腫瘍を病理検査に出したところ、診断は「肥満細胞腫」。

高齢なので「いつ亡くなっても覚悟はできている」と思ってはいましたが、その診断結果は結構ショックだったのを覚えています。

何故なら肥満細胞腫は、犬では超のつく悪性の腫瘍だからです。

しかし、犬と猫では病気の予後が違うことはよくあることです。
腫瘍の専門書をひっくり返し、猫腫瘍の専門書もひっくり返して数日調べたその結果・・・

猫の肥満細胞腫は、症例が少なく、予後は不明。
手術後の自然回復例もあるが、再発転移例もある。

調べた結果にかなり不満が残るものの、摘出後の皮膚の治癒経過も良く、ひと安心しました。
その時の写真です。

うまそう14歳

あれから月日が経ち、「もう2年だね」と話していたところ、再発しました。
さらに高齢の16歳になり、前回手術をした時も麻酔からの覚醒が遅くて心配したので、どうするか副院長と相談しました。
やはり肥満細胞腫瘍はヒスタミンを放出して破裂し、血圧が急に下がったり、嘔吐したりと、生活の質が下がるので、思いきって再手術に踏み切りました。

今回の手術も、切除範囲はかなり広く、太い血管が通っている場所なので、3時間の大手術になりました。
前回と違い、まだ破裂する前に見つけられたのは不幸中の幸いでした。

ご老体に3時間の手術でしたので、手術当日は安静のため点滴をして、病院に一泊させました。

うまそうが動かずに私の顔をじっとりと見て、声を出さずに鳴くので
「弱っているのか、やはり体力が・・・」と切なくなりつつ、麻酔からの覚醒後も見守っていました。

ところが、スタッフが夕飯を持っていくと、落っこちそうな勢いで立ち上がって詰め寄って来たそうで
「院長!凄い勢いで完食しましたよー。落っこちそうなんで、扉開けるときは気を付けてくださいねー。」と嬉しい報告が!

そしてその後、
「院長ー!!うまちゃんが点滴のラインを噛みちぎってますー!」

・・・うまそうは私に怒り心頭だったようです。

家に帰るとキャリーバッグから出て来ないので、心配した副院長がフードを出した途端、多少ヨロヨロするものの、シッカリ自分で出てきて完食。

退院

傷口を引っ掻くので、包帯の上をバンダナで保護しました。
その後、猫用Tシャツに変えました。

猫用Tシャツ

他の家族には「ウニャー」と返事をするのに、私にだけ声無し口パク返事。
私が帰ってきたら、無視して寝たフリ。

あんなに頑張ったのに、報われない飼い主です。

まあ、元気にしてるなら良いんですけども。

傷の経過

傷の経過は良いので、包帯を外しました。
外したままでも良いのですが、子どもが怖がるので、猫用Tシャツを着せています。
抜糸して毛が伸びるまでは、Tシャツ生活の予感です。

今回の手術もなんとか無事に成功したので、お別れはもう少し先になりそうです。