冬の足音が聞こえてきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
以前も子宮蓄膿症が多いことをブログに書いたのですが(「避妊手術の必要性」「【警報】子宮蓄膿症」)、また秋からパタパタと立て続けで5件の子宮蓄膿症の手術がありました。
いずれも無事回復してくれて、ホッとしている所ですが、今年は例年になく子宮蓄膿症が多いように思います。
やはり、具合が悪くなってから手術に踏み切るまでの日数が増えれば増えるほど、急激に悪化していくという、至極当然の事を再認識しております。
また、飼い主さんは「元気がない」「食欲がない」ということしか気づいていないこともありました。
外陰部からの血と膿が混じったおりものがわずかだったり、血が茶色くなって悪臭がするので、下痢だと思っていた方もいらっしゃいました。
今回最も危険度が高かったのは、3日前からの元気食欲不振で来院、検査で子宮蓄膿症と診断、緊急手術に踏み切った子でした。
開腹したところ、子宮に小さな穴が開いており、膿が腹腔内に漏れだして腹膜炎も起こし始めていました。
あと一日でも来院が遅れたり、手術をためらっていたらと思うとゾッとしました。
術後が心配でしたが、その子の体力もあり、無事回復してくれて本当にほっとしました。
卵巣子宮摘出手術をしていない女の子は、子宮蓄膿症のリスクを抱えています。
5歳頃から急激にリスクは上がります。
当院で診療した子宮蓄膿症の最高齢は18歳でした。
避妊手術をしていない子は、飼い主さんがしっかりと生理周期や体調を把握してあげましょう。