いつも診察室で、
「太り過ぎは健康に悪いですよ。」
「ダイエットしましょう。」
「お食事の内容を見直しましょう。」
と言っていますが、実は、私も全然ひとのことを言えないんです。
うちの愛犬ハル、太り過ぎなんです。
フードの量を調節しても、猫のごはんを横取りしたり、人の食事中はテーブルの下に待機してこっそりもらっていたり・・・。
最大の原因は、家族で与えるフードの量がマチマチな事でした。
で、先日、急にぐったりして倒れたんです。
血液検査はあまり問題なかったんですが、明らかに様子がおかしかったので、レントゲン検査とエコー検査を追加しました。
すると、特大の結石が尿管に詰まっていました。
尿管は、腎臓から膀胱へ尿を通す管です。
その片方が詰まって、左の腎臓がパンパンに腫れ上がっていました。
右の腎臓はきちんと機能していたので、血液検査でも腎機能を示す数値は微増でした。
正直、自分の犬の手術はすごくイヤです。
しかし、明らかに詰まっている。
流れてくれないかと、一縷の望みを繋ぎ、点滴して1日経過観察をしました。
しかし、流石に全く動いておらず、3月末日、泣く泣く手術に踏み切りました。
ここからが、ものすごく大変でした。
脂肪脂肪脂肪脂肪・・・・・・・。
脂肪に阻まれて、尿管の閉塞部位が探せない。
脂肪に隠された、謎の血管から出血する。
あまりの脂肪の多さに、手術は難航を極めました。
手術中、何度「もうダメだ!」と思ったことか・・・!
なんとか無事に手術は終了。
本当によく耐えてくれました。
でも、ハルとしては、痛いわキツイわ、文句言いたい相手が飼い主だわ、辛かったのでしょう。
手術の次の日は、看護師さんたちには尻尾を振るくせに、私と副院長にはガタブル状態。
フードを食べてくれて、少し散歩に行かせたら、「もう帰る!」と副院長の車の前で動かなくなっていました。
ちょっと入院中の自分(昨年、肩と腰の手術のため2回入院)と重ねてしまいました。
ものすごく可哀想になって、飼い主が獣医師なんだしと、副院長にお願いして、点滴や薬も持たせて早めに退院させてしまいました。
そこから丸一日ほどは、流石に元気なく、ほとんど寝て過ごしていましたが、なんとか食事もとれて、促されるとヨロヨロ歩いている状態。
2日目に少し自分から歩いて、しっかり食事はとれるものの、まだオシッコは寝ている間に出てしまう状態。
そして3日目には、ガッツリ食べて、しっかりと歩いて、外で排尿していました。
今日で手術後5日目ですが、フードの音で飛び起きて歩いて行ったり、食事の準備が始まると台所でスタンバっていたりと、平常運転に戻りました。
・・・はい、確実に手術後3日間は入院が必要ですね。
反省しています。
返ってきた結石の分析結果は、シュウ酸カルシウムでした。
溶けないやつです。
野菜も与えないように厳命しなくてはなりません。
私は肥りすぎで腰を痛めました。
そのため、ちょっとみなさまから心配されるレベルでダイエットしました。
先日の血液検査は、数年ぶりに見る、すごく良い数値でした!
今度はハルを、真剣にダイエットさせます!
年々、ハルとの溝は深まるばかりですが・・・。