異物食べちゃった

前々回、チョコレートのナッツや梅干しの種で腸閉塞を起こすことがあるので、食べさせないように気を付けましょうね、というブログを書きました。
>>ブログ「バレンタインデー」

つい先日、あるものを食べて来院した子がいましたので、今回はその話をしたいと思います。

動物が食べてしまう「異物」って、何だと思いますか?

よくあるのが「ビニール袋」やお肉のトレーに敷いてある「スポンジ」など。
意外に多いのが「糸を通した縫い針」や「軟膏のチューブ」です。

お肉に敷いてあるスポンジ
縫い針

今回のワンちゃんは、二日前から食欲不振が続き、嘔吐は1〜2回程度でしたが、回復しないため来院されました。
嘔吐物に怪しい物は含まれておらず、元々変なものを食べる癖があるものの、今回は思い当たることがないとの事でした。

念のためレントゲン検査とエコー検査をしましたが、エコーでもレントゲンでも怪しい物は写りませんでした。

しかし、腹部圧痛が出たり出なかったりと怪しいので、念のため造影剤を飲んでもらってレントゲン検査をすることになりました。

消化菅の造影検査は、造影剤を飲んでもらってから、時間を計って複数回レントゲン撮影をします。

レントゲンやエコーに写らない異物が、造影剤の付着によって明らかになる場合もありますし、通過速度や滞る場所によって、消化菅の運動や閉塞の有無を確認することができます。

その結果、胃の中に「影」が浮かび上がりました。

かなり大きいものの、柔らかい「布」のように見えたので、吐いてくれることを期待して処置することにしました。
もし、吐かなければ内視鏡による摘出。
最悪、開腹手術となるところですが・・・

無事、嘔吐してくれました。

胃の中にあったのは、布と糸の塊でした。
ペット用の布団カバーの端の方だったようです。
写真の赤い箇所は、血液ではなく布の模様ですのでご安心ください。

飲み込んだ布

まさかのペット用の布団カバー!
皆様も、かじってないか一度見てみてくださいね。