子宮蓄膿症は危険な病気です

寒い日が続きますね。
このまま本格的な冬に突入するのでしょうか?

最近、パタパタと2件の「子宮蓄膿症」がありました。
しかも、詳しく聞いてみると、恐らく2件ともに1〜2ヶ月の慢性経過をたどった上での悪化でした。

症状としては

・1〜2ヶ月前から食欲不振なのに水をよく飲む
・時々グッタリしている
・時々ウンチがゆるい

ぐらいで、どちらもはっきりとした出血はありませんでした。

二頭ともに11歳。
一頭は助かり、一頭は助けられませんでした。

助かった子は「お尻が汚れているのが気になった」と飼い主さんが言われていたので、恐らくおりもののような膿を排膿していたのでしょう。
来院時にも元気でした。

助からなかった子は、排膿の全くない閉鎖性でした。
来院時にはグッタリしていて、危険な状態でした。
緊急手術で開腹したときには、既に子宮に孔が開き、腹腔内に膿が充満して、重度の腹膜炎になっていました。

・・・そうなんです。
陰部の汚れがない、排膿しない、出血もみられない子宮蓄膿症もあるんです。
飼い主さんとしては、いよいよ具合が悪くなるまで「高齢だし寒いから体調が悪いのかな?」と思ってしまいますよね。

避妊手術をしていない子は、いくつになっても子宮蓄膿症を起こす可能性があります。

子宮蓄膿症は発情(出血)後2ヶ月後が最も起こりやすいと言われています。
晩夏~秋ごろに発情(生理だと思われている方が多いです)が来ていた子は、体調の変化にご注意ください。

そして、健康な身体にメスを入れることの抵抗感も理解できるのですが、やはり若くて元気なうちに避妊手術をすることをオススメします。

急に寒くなってきたので、体調が悪化している子が増えています。
何かおかしいと感じたら、お気軽にご相談ください。

アニス動物病院