かなり久しぶりに、毛包虫症(皮膚炎)を発症したワンちゃんが来院しました。
オールインワンタイプのフィラリア予防薬や、動物病院処方のノミ・ダニ予防薬で毛包虫症も同時に抑えられるので、以前に比べて毛包虫症を診る機会は少なくなっています。
ブログ『「毛包虫」ってご存知ですか?』に写真を掲載していますが、これはハムスターさんから検出されたものです。
毛包虫とは
毛包虫自体は、少数であれば存在することが自然な寄生虫です。
毛穴の中に住んでいる、とても小さな寄生虫です。
人間には人間の毛包虫が、犬には犬の、猫には猫の、ハムスターにはハムスターの……と、それぞれの動物ごとに異なる毛包虫が存在します。
季節の変わり目で体調を崩したり、換毛期などで皮膚の免疫機能が低下すると、毛包虫が異常に増殖し、症状が現れます。
毛包虫症の症状と治療
毛包虫症では、次のような症状が見られます。
- 赤みや脱毛、フケが、目の周りや頬から始まり、同じ側の前肢・後肢へ広がる
- 強いかゆみは出ないことが多い
- 脱毛は不整形になる など
今回、皮膚の異常を訴えて来院したワンちゃんには、お顔周りの皮膚炎部分にセロテープをしっかり貼り付けて、毛根やフケを一度に採取し、顕微鏡検査を行いました。
毛包虫症は、症状があっても毛包虫自体が検出できないことも珍しくありませんが、今回は「大漁?」と言っていいほど確認できました。


ノミ・ダニ予防薬はペットショップで購入されていたとのことでしたので、毛包虫にも効果のある動物病院処方のノミ・ダニ予防薬を処方しました。
先日は、保護した猫ちゃんの健康状態チェックで、ノミが見つかりました。
ノミは家の中でも繁殖します。
冬場であっても、ノミ・ダニ予防は継続して行いましょう。
