食欲不振には病気が隠れていることも

9月だというのに、暑い日が続きますね。
一旦少し涼しくなったので、より一層暑さが堪えます。

そのせいか、食欲不振で受診する動物たちが増えています。

人間も夏バテで胃腸が弱って、食欲が沸かないことってありますよね。
でも、食欲がないからと、好きなビールや唐揚げ、お菓子、スルメばかり食べていては、悪化する一方なんですよね。

これは、犬や猫も同じなのです。

好きなものだけ食べさせてはダメ

フードを少ししか食べないからと言って、
好きなトッピングばかり増やしたり、
チーズやジャーキーなど消化に悪い物をあげてみたり、
ほしがるからと人の食べ物を与えてしまったり。

これって、食欲のない人間が
「ビールとツマミ、お菓子ならいける気がする」
「ピザなら…辛いヤツなら…」と、栄養や消化を度外視して食べて、食欲不振を悪化させてしまうパターンと同じなのです。
(よく副院長がやって、トイレで後悔しています)

最近増えているのが、何日か様子見をしていて悪化しているケースです。
回復がかなり難しいケースもありました。

また、食欲不振には、膵臓や肝臓、腎臓の病気が隠れていることもあるのです。

「咳」と「嘔吐」の区別がつきにくく、実は心不全で元気がなかったというケースもありました。

嘔吐にも色々原因があるんです

前から気づいていたけれど

「あれ?うちのコ、最近ごはんの食べ方少ない??痩せてる??」
「あとで食べてるのかと思ってたけど、どうも同居のコが食べてるぞ?!」
「いつものワガママの好き嫌いかと思っていたけど」

これが最も多いサインです。

しかし、7月〜8月は人間も何かと忙しかったり、体調が悪かったりと、なかなか動物病院に来院できないケースもあったようです。

診察室でお聞きしてよくよく思い出すと「ペットの不調がずっと気にはなっていた」とお話になる飼い主様もいらっしゃいます。
症状に波があって、来院を決断されるのに時間がかかるケースもあります。

症状がひどい場合や長期の食欲不振の場合は、血液検査やレントゲン検査、レントゲンで造影検査、エコー検査が必要な場合があります。

飼い主様への負担も大きく

特に、猫や小型犬が頑固な食欲不振になると、無理にでも「消化に良いもの」を吐かない程度でも食べてもらうのが大変な場合が多いようです。

普段、美味しいものを食べていると、「嫌いな物は食べない上に、薬を飲ませるのも一苦労」となってしまうようです。

「何をどのくらい与えるのかの見極め」
「どうやって食べさせるか」など、飼い主様にかかってくる心理的負担も増えていきます。

お薬を飲ませられないからと、連日注射に通ってもらったり、入院して点滴が必要になってしまうこともあります。

受診タイミングの見極め

手遅れになってしまわないように、「食べたがらない」または「食べても吐いてしまう」「下痢をする」などの症状が出たら、以下を確認して動物病院を受診してください。

  • フードをどのくらい食べられるか
  • 水は飲めるか
  • 元気があるか
  • いつから、何回くらい嘔吐や下痢があるか

同時に、変わった物や食べてはいけない物を食べてないかを、家族にも確認しましょう。

異物を食べた場合は1時間以内に

異物や毒物を食べてしまった場合は、時間との勝負になります。

ヒモやビニール、人間の薬、玉ねぎ、観葉植物など、食べてはいけない物を飲み込んでしまった場合は、早急に動物病院へ!

「高カカオチョコレート」が動物にとっては毒になるということは、有名ですね。
小さい子どものおやつによく入っている「キシリトール」や、秋の味覚「ブドウ」も犬猫にとっては毒になるので要注意です!

何をいつ、どのくらい食べたのかわかるように、残りの物や説明書、嘔吐物を持って来てくださると診断の一助になります。  

胃の中なら、嘔吐させたり、内視鏡でお腹を切らずに摘出できることが多いので、1時間以内に何も食べさせずに来院してください。

なるべく早めの受診をオススメします。