シートベルトとリードと安全運転

年末が近づいて気が急いているのか、運転が荒い車が増えているようです。
普段、運転し慣れない方も運転しているのかもしれませんね。

アニス動物病院の前の信号も事故が多いので、お気をつけください。

突然ですが、ご自身が車に乗る時にシートベルトをしていますか?
お子さまにはシートベルトをしていますか?

シートベルト非着用で子どもを乗せていたり、膝に犬を乗せて運転している車を見かけます。

「自分は大丈夫」
「安全運転だから」
「おとなしく座っているから大丈夫大丈夫」
「シートベルトは嫌がるし」
「キャリーに入れるとずっと吠えるし」

そんな心境なのでしょうか。

車に乗せたワンちゃん

本当にあなたの運転は大丈夫でしょうか?
横や後ろの車は安全運転なのでしょうか?
お子さんやワンちゃんは、ずっとおとなしく座っていられるのでしょうか?

・・・・・・・

シートベルト非着用での死亡率は、着用時と比べて15倍にもなるそうです。

想像してください。
事故が起こったら・・・

膝の愛犬は跳んで窓に激突、または飼い主とハンドルの間でグシャリ。
エアバックが開いて圧死。
足元に入り込んでブレーキが踏めない。

いつ起こるかわからない事故は、誰にとっても他人事ではありません。

ペットを乗せる時も、ハーネスを座席に固定したり、キャリーバッグに入ってもらうなど、安全対策をしましょう。

以下は、実際に当院で診療した交通事故の例です。

・走行中、風を通す為に少し開けていたら窓から飛び降りて骨折、脳震盪。

・玄関から車まで歩かせている時に、低速のバイクと接触して前足の皮膚裂傷。

・いつもの場所をノーリードで散歩していて、突然興奮して走り出し、出会い頭に車と接触し、死亡。

・ノーリードで散歩中に他の犬に近寄って噛まれて頸椎骨折、死亡。

いずれもリードやキャリーバックを正しく使用していれば、防げる事故でした。
しかも、このような事故は珍しい例ではありません。

ワンちゃんにはリードを

猫も、外から帰ってきたら歩き方がおかしいということで診察したら、皮下膿瘍や骨折していたという事例があります。
エンジンルームに入り込んで火傷した猫もいました。

エンジンを掛けたら、猫の悲鳴と焦げた臭い・・・。
ホラーですね。

蛇足ですが、私は車が好きで(好きすぎて何回か離婚されそうになりました)、よく運転するのですが、ついついスピードを出してしまって怒られます。

毎回怒られてお説教されるのですが、近年、怒られ方に変化がありまして・・・

「事故が起こったら、その時同乗者は?自分は?どうなっている?」という怖い話をずーーーーっと聞かされるんです。

「横を見ると血塗れの・・・」とか、
「助けてと言っているのに、身体が動かなくて・・・」などなど。

あまりにも心をえぐるので割愛しますが、もう夢に見る勢いで、ずーーーーっと、事故車内の情景描写を聞かされ続けます。

運転している時には、何故か「自分は大丈夫」という思いをもってしまいがちです。
しかし、事故は想像もつかない状況で起こります。
そして、事故現場を想像すると、確かに大人でも泣くほど怖いのです。

そうならないように気をつけようと、怖い話で少しは慎重になった気がします。

起こってしまってからでは遅い事故。
事故で哀しい思いをしてしまったご家族のお心は測り知れません。

車に乗る前に「猫バンバン」
子どもに「シートベルト」
愛犬に「リード」と「キャリーバック」

皆さま、運転は心の余裕をもって、安全運転お願いします。

キャリーバッグは必需品です