最近、膝蓋骨(しつがいこつ)亜脱臼の手術がパタパタと立て込みました。
膝蓋骨亜脱臼はその名前の通り、膝の骨が横にズレたり戻ったりしている状態です。
実は、割と多くの小型犬で見かけます。
突然、後ろ足を痛がってあげるようにしていたり、後ろ足をあげて歩いたかと思っていたらいつの間にか元通りに歩きだしたりします。
中には、全く痛みが無くパカパカ外れる子もいます。
膝の痛みというと、体と体重の大きな子や、ミニチュアダックスフントなどの短足の犬種に多いというイメージかもしれませんが、チワワなどの超小型犬で手足が細長い子にも意外と多いようです。
膝蓋骨亜脱臼になったからといっても、すぐ手術という訳ではありません。
近年、犬用の消炎鎮痛剤がとても進歩しており、長期間の使用が可能になりました。
また、サプリメントも犬の消化吸収に合わせた物が出ています。
消炎鎮痛剤やサプリメントで痛みがコントロールできるならば、それらで維持します。
しかし、軟骨や靭帯の損傷が激しく、痛みのコントロールが難しい、歩行に問題があるなどの場合は手術になります。
手術では、膝の溝を深くし、膝の関節胞を縮小することにより、亜脱臼しないようにします。
靭帯が断裂している場合は、あわせてそちらの手術も行います。
術後はやはり、鎮痛剤とサプリメントを併用します。
跳び跳ね・飛び降り・床の上で滑る・後ろ足で立ち上がる・体重増加などは、膝に負担が掛かるので、絶対に禁止です。
ソファに乗る癖を無くすのはなかなか難しいのですが、他に快適な場所を作ってあげる、フローリングにはマットを敷くなど、飼い主の方が工夫して頑張ってくださっています。
我慢強い子は特に隠してしまいがちですが、治せる痛みなら治してあげたいものですね。